今年度の本屋大賞が発表された。 こういう結果↓だった。 大賞 『ゴールデンスランバー』 著/伊坂幸太郎 2位 『サクリファイス』 著/近藤史恵 3位 『有頂天家族』 著/森見登美彦 4位 『悪人』 著/吉田修一 5位 『映画篇』 著/金城一紀 6位 『八日目の蝉』 著/角田光代 7位 『赤朽葉家の伝説』 著/桜庭一樹 8位 『鹿男あをによし』 著/万城目学 9位 『私の男』 著/桜庭一樹 10位 『カシオペアの丘で』 著/重松清
残念ながら、2位の「サクリファイス」と10位の「カシオペアの丘で」は未読なのだけど、他の作品は一応読んでいた。 大賞の「ゴールデンスランバー」は、首相爆殺犯として追われる主人公の逃避行を描いた作品。
ものすごく注目を浴びる犯罪の割に、良くも悪くも、「手に汗握る」感がないんだなあ。 首相暗殺に使われるメカとか、主人公が逃げまどう仙台市内に張り巡らされた監視装置、なんてのや、突然現れる殺人鬼とか、ほんとはかなり怖そうなのに。 追われている主人公の思索や、彼を助ける元恋人の描写に、何とも脱力させられる。 でも、破綻しているわけではなく、構成や文体は精緻なんだなあ。 多分、ハードボイルド系の作家が書くと、全く違う作品になるんだろうけど、その手の作品だと思って読むとスコンとはずされる。 このあたりが伊坂さんらしいって言うのかな。 個人的には、今文庫で出ている「死神の精度」や「週末のフール」の方が好きだけどね。 この作品も映像化されるんじゃないかしらん?と思う。 映像クリエーターの触覚をくすぐるものがあるんだなあ、伊坂作品には。 でも、正直、本屋大賞がこれを選ぶとは思わなかった。
私が「これでは?」と予想していたのは、
一本一本の映画に関わるストーリーが並んだ短編集。 なんて言うと「ありがち」だけど、全てが「ローマの休日」に集約されていくところは、さすがに「上手い!」。 それに、ストーリーのキーになる映画がどれも結構渋め。 「ほお、この作品ですか」と、意外に思いながら読み進めることになるのだけど、作者の映画への愛が随所に感じられる。 読後感がいいから、本屋大賞向きかなと思ってたんだけど、ハズレでした。
どれも書店員さん達が推している本だけあって、好き嫌いはあっても、「ちぇっはずしたぜ!」という徒労感は少ない。 打倒直木賞!が目標らしいけど、直木賞作品よりは取っつきやすいし、読みやすいと思うよ。 もちろん、それだけが作品の長所じゃないから、直木賞はどんどんコアな、新しい才能に賭けて欲しいけどね。
でもまだ森見さんや万城目さんが候補に上ってないあたり、直木賞より本屋大賞の方が、読者の好みに遙かにvividですね。 「売りたい」本に授賞する賞だから当然だけど。 森見さんの「有頂天家族」は、森見作品の中では一番の好み。 タヌキの家族愛に泣けますぜ! 有川浩さんの「阪急電車」も入って欲しかったな。あ、来年かな。 阪神電車やJR沿線の人も、大阪・神戸在住の人は、読むべし!です。 大阪・神戸を離れた人は、望郷の念断ちがたくなるでしょう。
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