スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

くーー、おもしろーい!大奥!

以前から気になっていた、このコミック、「大奥」。
やっと読むことができましたよ。
「大奥」って言ったら、あの、例の徳川版ハーレム、美しい女人が鈴なりになっていて、そこで起きる色と欲の絡み合った、いかにも……な世界。
ですよね、普通は。
でも、よしながふみさんの描く「大奥」は、そんなイメージを軽く蹴り出す奇想天外ぶり。
何たって、この「大奥」に鈴なりになっているのは男達。
そう、徳川の将軍はある時から女になり、当然「上様」の夜とぎをするのは男というわけで。
読む前から、この逆転の構図は面白いと思っていたのですが、いやあ、予想を超えてました。
「奇想天外」と書いたけど、「荒唐無稽」ではありません。
何故、徳川の将軍が女になったのか。
それは、日本に若い男だけがかかる疱瘡が大流行し、各地で、若い男達がばったばったと死んでいったからなのです。
病は貧富の差無く襲いかかり、大名各家も、将軍家も、跡取りの男達が命を落としてしまう。
それが三代家光の頃。
やむなく当時絶大な権力を誇った春日局が、家光の隠し子であった娘を将軍に祭り上げ……
というわけ。
で、この作品がとりわけ良くできているなあと思うのは、本来の男性将軍が君臨していた時とほぼ同じ事件や逸話を取り入れているところ。
例えば、家光が若い頃衆道に夢中で、ろくに女性に見向きもしなかったところを、春日局の一計で、伊勢の慶光院の院主であった尼を還俗させ、差し出したところ、家光がすっかり気に入って愛妾にしたという逸話やら、
八代吉宗が倹約のため大奥改革に乗り出した時、その目的を言わずに「もっとも美しい女五十人」を選ばせ、その五十人の美女に、「それほど美しければ他に生きていく道があろう」と、宿下がりを命じたという話やら……
上手い!
おまけに、男女がひっくり返っても、美しいものや、寵愛を受けて出世していく者への嫉妬やねたみは同じ。
その辺の機微も見事に描かれています。
女にして将軍となった家光の数奇な運命と、その恋人である慶光院院主の貴族男性との悲しく切ない恋からも目が離せません。
この家光、いーんだな、これが。有能で酷薄で。「女だから」っていう先入観が吹っ飛ぶくらい。
当時の君主というものの実像を捕らえています。
妙齢の男性が次々死んでしまう事による市井の女達の悲劇や、いじらしさも心を打ちます。
うーむ、天晴れ!!
現在三巻まで発売されていますが、この先が早く読みたくてたまらない!
久しぶりにそんなコミックに出会えました。
よしながふみさん、がんばれー!!
スポンサーサイト

上方落語の魅力~~たまちゃんハウス~~

大阪の我が実家に、夫と共に帰省。
落語好きの夫が、ぜひにも上方落語を聞きに行きたいというので、「田辺寄席」という、地域で長く続けられている寄席を見に行った。
公民館の体育館を借りて行われているらしく、ごく簡素な感じの、来ている人も常連さんばかりのようだ。
ちょっとした漫才を見ても大笑いする、よく言えば純朴な、悪く言えば「ヤスイ」観客である夫とは違って、私は「キツイ」客である。
漫才のバトルものなんかを見てても、決して笑わない自信(?)がある。
実家の法事などにつきあってくれる夫への義理で行ったようなもので、退屈するかもしれないと思っていたくらいだったのだが、予想外に上方落語は面白かった。
夫は体を二つ折りにして笑い(畳の部屋だったらまさしく笑い転げていたに違いない)、私もつい声を上げて笑った。
そう言えば、大阪に住んでいた頃は、米朝や今は亡き枝雀の落語を聞きに行ったものだった。
寄席に足を運ぶことが少なくとも、テレビなどでも折々に放送があって、落語は生活に根ざしていたという感じがする。
東京に来てからは、落語とはすっかり縁遠くなってしまったが。
なんだか上方の落語に比べて、「ギャグ」のような所作が多い気がして。
(これは生粋の「大阪人」である私の偏見かもしれないけど)
上方落語は、やっぱり言葉がまろやかでいい。
特にしっぽ、語尾がふんわりしていて、それでもっておっちょこちょいだのアホだのの「与太者」を「与太」らしく演じられるのである。
上方落語に登場するアホは、ホンマに可愛らしいなあ、と思う。
このあたりの感覚は、やはり関西人ならではのものかもしれない。
次回また夫と一緒に帰省したら、ぜひ寄席に行ってみよう。
さすが伝統芸というものは、生半可な「キツイ」客など簡単に転がしてしまうものである。

さて、それほど上方落語に興味のない人でも、きっと面白く感じる、ちょっと寄席にでも行ってみたいなと思わせるコミックスがある。

作者の逢坂みえこさんは、かつて「永遠の野原」という名作で、私のなけなしの感受性をつかみ取った人である。
「永遠の野原」を語り出したら長くなるので別の機会に譲るとして、こちらの作品もよろしい。
逢坂さん独特の、映画のカット割りにも似たコマ割り、
確かな画力、
そして、何より上方落語への愛情がふんだんに込められ、
そこに、落語好きでなくてもはまるキャラクター造形やユーモアのセンスがこれでもかというくらいにちりばめられ。
落語がテーマのドラマや映画が人気とはいうものの、漫画にするにはなかなか難しい。
あの「間」が表現できる漫画家さんは決して多くないと思う。
落語家の家に生まれながら、落語に全然興味のない女子大生・たま子と、個性的な内弟子達をめぐるストーリーを楽しみながら、落語のおもしろさに触れることもできる。
私は、パチンコ依存症の夫婦の元に生まれ、たま子の父に弟子入りすることになった「白春」という少年のキャラクターが大好きというより愛しく、またも逢坂さんに「くうう」と言わされてしまっているのである。
読んで損なし。
って言うか、読むべし、と言いたい佳作です。はい。

テーマ : まんが
ジャンル : 本・雑誌

殺した方が負け~死と彼女とぼく~

まったくもって腹が立つ!
最近の新聞記事を読んでいるとたびたびこのようなことが起こるのだけど、今日は特に。
今朝の朝日新聞の記事によると、処分されるペットは増加の一途をたどっていて、しかも有料でセンターに引き取られることによって、罪悪感が薄れているという。
たった1000円で殺されてしまう犬や猫たち。
たとえどんな生き物であれ、自分が飼っていたペットを捨てたり、処分してもらったりすることが、どうしてできるんだろう?
どうして罪の意識を持たずにいられるんだろう?
飼っていたペットを捨てたり殺したりする人間が、家族を大事にできるはずがない。
「命の大切さ」なんて子供に教えられるはずがない。
どんな生き物も、小さいときは可愛らしく、大きくなるとその可愛げはうすれて、老いると世話が大変になる。
犬でも人間でも同じことだ。
それを、金を払うから処分しても良いと思うような人間は、自分も年老いたとき、同じような目に遭うのだ、きっと。
当てにしていた家族から捨てられて、惨めな末路をたどれ!と、心から思ってしまう。
どんなに「泣ける」という映画を見てもしらけたりする私、ところがけなげな犬の姿を見ると1シーンで涙が吹き出す。
そんな犬好きからすると、犬を捨てる、殺す(センターに引き取らせると言うことは、すなわち殺すことなのだ。それも自分の手を汚さず。卑怯この上なし!)ような人間は悪鬼に等しい。

と、犬に関しちゃ、ともすれば感情的になる私に必要なのは、この作品。
これを読むと、「うむうむ、因果応報だよなぁ」と、深くうなずいたりする。

主人公の少年は、死霊が見え、死霊と話をすることも、死霊に触れることもできる。
死んだ母譲りの才能?らしい。
うちで飼っている犬やネコとも会話できるのだ。
もちろん、そんなことは隠している少年が、同じような能力を持つ少女・ゆかりと知り合う。
ゆかりは、彼同様死霊が見え、死霊に話しかけられたりする。
彼らが見る死霊は、何らかの原因でこの世にとどまっている、さまよう幽霊だ。
あるものは失恋して自殺した心の痛みがのこり、あるものは殺された恨みが残って、「成仏」できずにいる。
そして、心にどす黒いものを持っている死霊は、恐ろしいほどに醜い。
中でも、人や動物の命を絶ったものは、その周囲に目にしたくないような醜悪な霊をまとわりつかせている。
そして自らも、死んだ後は醜く疎まれ、成仏できない死霊としてさまようことになるのだ。
ときとして死霊の念の強さに巻き込まれそうになる二人だが、互いを思い合い、死霊が生きていたときの姿に思いをいたす彼らは、何とかそのトラブルを乗り越えていく。
やたらとオカルトチックな作品は苦手な私だが、この作品の持つ死生観は納得できるし、読後感も爽やか。
今の世の中でだんだん無くなりかかっている「倫理感」がちゃんと盛り込まれていて、ホッとする面もある。
絵が怖いときもあるけど、それも、モラルを失った人間がどうなるかを示すものだから、よし。
勧善懲悪なんて古いぜ、と思えない私にとっては、不思議な清涼剤になる作品だ。

プロの生き様

先日、「ソロモン流」というTV番組で、漫画家の一条ゆかりさんを取りあげていたのを見た。
一条ゆかりと言えば、もちろん、漫画界の大御所、少女漫画界の女王、三十年以上にわたって漫画界に君臨し、第一線で活躍を続けている希有な存在である。
もちろん読んでますともさ。
「デザイナー」にドキドキし、「砂の城」に胸かきむしられ、「有閑クラブ」に笑わされたり怖がらされたりし・・十代の頃からずっと一条ゆかりさんの漫画とともにいた、というのは過言ではない。
多分、多くの少女漫画ファンがそうなんだろう。

その大御所、女王は吉祥寺に白亜のアトリエを持ち、麻布十番にマンションを持ち、NYに取材旅行に行って、オペラ歌手と会ったりしている。
絵に描いたような大漫画家生活だ。
でも、その一方で、恋愛をしたいから(もちろん、作家としてその経験を活かすためもあって)と解消した平和な結婚生活、腱鞘炎で動かなくなってしまった指、何があっても描けるように利き腕になっている両手、ヘビースモーカーゆえ、アシスタントと分煙するために作られた金魚鉢のような透明な喫煙ルーム(彼女はそこに入って、アシスタントに指示したり、描いたりしている)・・等々、すべてに「さすがにプロ」と納得させられる。
巨匠と呼ばれ、女王と呼ばれ、実力派のアシスタントがそろっていても、彼女は最後の最後まで、原稿に手を入れ、消しゴムをかける。
一本のろうそくの光を描くために、原稿が落ちる寸前まで粘っているのだ。
「自分が納得したものでないと出せない」
そう言うクリエーターは多い。
でも、本当に妥協せずにギリギリのギリギリまで粘れるプロはどのくらいいるのだろう。
それも、名を上げ、功成って、頂点に立ってまでも。
しかも、それを30年以上続ける力たるや・・
これがプロの生き様ってもんですね、と痛感する。
翻って我が身・・一条ゆかりさんと比べるわけにはいかないが、全然甘い、情けないていたらくだ。
爪の垢でも煎じて飲まねばならぬ。
さすがに、「恋愛したいから」と、夫と別れるわけにはいかないけど(^^;)

おかげで、またわくわくする作品を読ませてもらってます。

どうしようもない母親の元に生まれた貧乏な女と、元有名オペラ歌手の娘として生まれ何不自由なく育った女・・この二人が音楽と恋愛を巡って、火花を散らす。
この手の対立を描いて、一条ゆかり以上の人はいまい。
一巻に手を出したら、次々読み進むことは間違いなし。
これまた一条作品たるゆえんですが。

テーマ : マンガ
ジャンル : 本・雑誌

ライター稼業

いいものはいい、悪いものは悪い。
間違っていることは間違っている。
そうはっきり口にするのは難しい。
でも、それをやらなきゃ、いいものはできないのにねぇ。

これは私と同業の友人の愚痴。
偶然にも、「自分は使いづらいライターなんだろうなあ」と二人とも思っていたのだ。
もちろん、能力がないと言うことではない(と、信じたい(^^;))。
私も10年、友人はそれ以上のキャリアを積んで、まがりなりにも生業としてる。
でも、最近組む仕事の相手は、どうやら、年を食ってキャリアを積んで何かと直言するオバサン(むかつくけど、そう思ってるんだろう、相手は)とはつきあいたくないらしい。
もちろんそんな人ばかりじゃないから、私も友人も仕事を続けていられるのだけど、他人に何かを言われるのを極端なほどいやがり、怖がる人が増えたのも事実だ。
相手の仕事のやり方がまずいとき、
どうも真意が伝わっていないと思われるとき、
無理無体な要求をされるとき、
「それは違うんじゃないですか?」と声を上げざるを得ない。
むろん、伊達に年食っているわけではないので(^^;)、それなりに気を遣って話すのだけど、それすらも気に入らないという人が増えたのだ。
おかげで仕事は非常にやりにくくなる。
ましてや、そういう人物が間に入って一つの話をまとめることになると・・到底まとまるものもまとまらない。
心の中で「あんたはすっこんでろ」という言葉をかみ殺すのに往生する。
まあ、向こうも「すっこんでろ」と思うのであろう。
かくして、次の仕事はどうなる?と、青ざめるしかない。
友人と二人ではああ・・とため息をついた。
何の仕事でもそうだけど、この気ままと思われるようなライター稼業も、なかなか大変だったりする。
仕事に、というより、この稼業につきものの不安定さと、それにたいする不安にとりつかれる度に本棚から取り出す漫画がある。



「夏子の酒」などで知られる、尾瀬あきらさんの作品だ。
もう発売されてずいぶん経つ。

主人公は28歳にして、勤めていた小さな業界紙の記者を辞め、フリーライターとして独立することを決意する。
しかし、給料も振り込まれないまま勤めていた会社は倒産、住んでいたアパートは建て替えで追い出され、立ち退き当日には引っ越し屋すらやってこなくて、おりしも降ってきた雨の中、荷物と共にびしょぬれになる主人公・みのり。
恋人とも別れたばかりで、フリーライターとなっても仕事のない日も続き、幾度となく弱気になって田舎に帰ろうかと思ってみたり、やけ酒を飲んでみたり、吹っ切ったはずの元恋人に会ってみたり・・
自分の弱さに恥じ入りながらも、取材先の人と、編集部員と、ライター仲間と、そして一番の理解者と知り合い、ぶつかり合いながら、少しずつ自分の納得する仕事を得ていく。その一生懸命さと不器用さと心の中に秘めている将来への夢と・・ともすれば年と共に無くしてしまいそうなものをずっと抱えている姿に、思わず「初心忘るべからず」と呟いてしまう。
そう、愚痴を言ってる場合じゃないのだ。
みのりのように、あきらめずに自分の伝説を作っていくのだ。
読み終わると、少し前向きになれる。
ライターも、ライター志願者も、そうでない人も。
生き甲斐のある仕事を見つけることの難しさを感じながら、さわやかに笑って泣けるコミックス。
この先数十年、私の本棚から出ていくことはないであろうと思われる。
これが最大の推薦の言葉になるかな。

さあて、もう一頑張りしますか。


テーマ : オススメ漫画
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

dancingwolf

Author:dancingwolf
FC2ブログへようこそ!
ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。