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容疑者xの献身

ご存じ、ベテラン東野圭吾氏の直木賞受賞作。
やっと図書館から借りることができた。
買っても良いのだけど、東野氏の作品は、割と好みがはっきり別れることが多くて、なぜか買った本に限って、「うーーむ」と思ってしまうのだ。
で、長ーい順番待ちをしてやっと借りた本書、一言で言えば、買えば良かった。
良くできてるのですよ。とっても。
直木賞受賞にあたっての選評では、主人公である容疑者xについて賛否両論だったらしいけど、私は納得できたなあ。

ストーリーはこんなの・・
お弁当屋に勤めるシングルマザーの女性のところへ、別れた夫がやってくる。
どうしようもないダメ男で、しかも蛇のようにしつこい。
彼女をつけてきた男に家にまで上がり込まれ、もみ合ううちに、彼女は夫を殺してしまった。
自分のしてしまったことの恐ろしさにふるえる彼女とその娘に、なぜか隣に住む高校教師である男が、手をさしのべる。
男に言われるがままに犯罪を隠す彼女。
なぜ男は彼女に手を貸したのか?
そこにはある理由があった。
そして、男がとった隠匿行為のトリックとは・・

この高校教師が教えているのが、数学なんですね。
で、彼は論理的に事件を隠し続けていく。
その手腕が、後になって「なるほど、すごい」と思わせるものであり、その献身ぶりには心動かされてしまう。

「博士の愛した数式」もそうだけど、この物語の中で、数学はとても美しく語られる。
記憶を失ってしまう博士も、事件を隠し続けていく容疑者も、とても純粋だ。
数学ってピュアな人には美しいものなのね。
学生時代、死ぬほど数学が嫌いだった私、とても純粋にはなれないわ、と我が身を振り返るのでした。
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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

チーム・バチスタの栄光

広告制作会社でコピーライターをしていた頃、某大手広告代理店のクリエーターが、日本の最高学府の、しかも医学部卒だか、中退だかという経歴の持ち主だった。
「人の税金使って勉強したあげくに、こんなやくざな業界にはいるとは。人の命を救う気高い仕事してろ!」と心の中で罵ったことを覚えている。
なんのことはありません、ただの嫉妬ですわね。

で、「このミス」大賞を受賞した、この「チーム・バチスタの栄光」。
著者はお医者さんだそうですわ。
道理でねぇ。
心臓のバチスタ手術ったってねぇ、私なんぞはちーとも聞いたことがなく、医学用語など皆目ちんぷんかんぷんで・・
でも、オモシロイ。
この辺りが悔しい。
はい、またしても嫉妬ですわね。
自分の小ささに反省しつつ、素直に賛辞を呈します。
なんやかやいろいろ分からないことはあるけど、とにかく読ませる。
満場一致、ものの10分で大賞受賞が決まったと言うだけあります。

そして、この作品の良さは実はキャラクターのおもしろさ。
主人公である、自称オチこぼれの神経内科医師、やり手の病院長、天才外科医、そして、名探偵にして奇矯さが際だつ役人などなど、登場人物すべてが錦地とかき分けられ、しかもイキイキと動いているのです。
権謀術数がうごめく大学病院の中で起きる不可思議な事件を追うという設定には、こうしたキャラクターのかき分けがとっても大事なのだと痛感。

名探偵の役人・白鳥は、あの精神科医・伊良部も真っ青の個性派。
ぜひシリーズものをと言う声も出ていて、私もそれに一票!
しっかしなあ、医師が小説書く時代になっちゃあ、小説の世界、ますます競争が熾烈になりますわね。
読者としては喜ばしい限りですが。

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

久しぶりにオモシロイ本にあった

久しぶりに仕事に追われ、ヒイヒイの毎日。
全然本を読む暇が無く、ああ、私放電しっぱなしだなぁ・・と焦っていた。
何とか無理矢理暇を見つけて(イヤ、暇はないんだけど。絶対このツケが後で来るんだけど。それは覚悟しつつ)、読みました。
んで、とーっても満足。
久しぶりにアタマを使ったよ、考えさせられたよって感じ。
これです。↓



小倉千加子さんは「結婚の条件」や「女の人生スゴロク」などで注目されていて、とっても興味深く読んでいたのだけど、今回は、中村うさぎという強力なキャラクターとの対談なので、更におもしろし。
中村うさぎと言えば、出版社にン百万、ン千万?というお金を借りて、プランドものを買いあさり、「ショッピングの女王」などという本まで記していたかと思えば、ホストクラブ通いに血道を上げ、その次には「人体改造」と言っても過言ではないほど整形を繰り返す、まあ何とも濃ゆいというか、破壊的キャラクターで有名なのですが。
イヤイヤ、この人、自分の破壊的キャラクターをよーく分析されているのですな。
ま、作家なので、当然と言えば当然なのだけど、予想以上にしっかりと現状を認識し、それに対して開き直ったり、疑問持ったり、罪悪感も覚えたりしながら、自分という人間をとらえている。
依存症の人がここまで自分の依存に関して考えているのだと言うことを初めて知りました。お見それしやした、という感じ。
そのうさぎ氏の発言を、小倉さんが主にフェミニズム的見地からつっこんだり、解明したり、発展させたりしていく。
興味深くこの過程を読みつつ、意外な発見。
私、中村うさぎに共感してる?!
買い物依存や、ホストクラブ通いや、人体改造なんて、自分の人生にはまったく縁がないはずなのに、その行動の根っこにある考え方や自己認識には、驚くべきほど共通点があるのだ。
世の中の人がバッシングしているものに対して、「ほっとけよ」「バッシングする方がいけすかん」という感じ方も、同じだったりする。

冷静な解説者である小倉さんが、時々理論とは違う本音が引っ張り出されたりするのも楽しめる。
Qちゃんがプラダを着てパーティに出たことにバッシングした女性誌に怒るうさぎ氏。
マラソンの時なら別だけど、普通の生活でプラダ着ててもいいじゃんよといううさぎ氏に同意しながら、「でも、ヤワラちゃんがシャネル着てたらバッシングしたくなる」という小倉氏。
はは、なんかこの辺、いかにも女同士の会話って感じが出てて笑える。
「NANA」や「グロテスク」「ハチクロ」、安野モヨコの作品などなど、コミックス、小説などを取りあげた切り口もイケてます。

幸福って何?
と考えることは、自分はどういう人間なのかと言うことを考えることそのものである、と実感する。
チコッとでもその辺考えてみたい人、オススメです。

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

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ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

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