スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

好きな作家、新発見!山本幸久氏

いやいやー、また見つかりました。
平安寿子さん、荻原浩さんに続くユーモアセンスあふれる、元気の出る作品を書いてくれる作家が。
山本幸久氏。
荻原さん同様、すばる文学賞を受賞して世に出た人らしいのですが、結構いろいろ書かれているにもかかわらず、私全然知りませんでした。
感度の低さを恥じるばかりでございます。
でも、いーんだもんね、見つけちゃったもんね。
ということで、目下追っかけ読み真っ最中。


最初の短編に出ていた脇役の登場人物が、次の話では主役になって描かれるという、平安寿子さんが得意とするような連作短編集。
目下読み進めているところですが、面白い!
「いるいる、こういう女」「解る、解るこの気持ち」って共感しつつ、読み進められる。
最近の男性作家は女性を描くのが上手になったなぁと感心。

「笑う招き猫」は、すばる文学賞受賞作らしい。
すばる文学賞と言えば、このところ話題になっていたのは「隣町戦争」だけど、私は断然こっちの系統のお話の方が好きです。
主人公は、コデブのアカコとノッポのヒトミという女性お笑いコンビ。
28才、まだ芽のでないお笑い芸人の二人は、ルックスばかりか性格も全然違う。
わがままで気分屋のアカコに振り回されながらも、ヒトミにはアカコが必要で、アカコにももちろんヒトミが必要。
現実世界ではなかなかお目にかかれない「濃ーい女の友情」が心地良かったりする。
お笑いを描いた小説って、笑いの感覚がずれてたらどうしようもなく悲惨なんだけど、この作家はかなり上手い。
キャラクター造形がいいからなんだろうなあ。
勉強になります。

「凸凹デイズ」の主人公は、グラフィックデザイナーというには余りにショボイ仕事をしている23才の女の子。
しかも風呂に入りたがらないオタクと、アニメキャラ大好きなオヤジの巨漢二人に囲まれて、安い給料で徹夜仕事を続けているという、かなり悲惨な生活・・のはず。
でも、明るい。
男と別れても、仕事がボツになってへこんでも、やけ酒飲んだり、カラオケ歌ったり、やけ食いしたりして、何とか立ち直っていく。
そんな23才の前に立ちふさがった女性デザイナーのキャラクターも秀逸。

どれも明るくて、読後感が爽やかで、ちょっと元気になれる。
平さんが好きなあなた、荻原さんがいいなと思うあなたなら、間違いなく、読んで損ナシ。
おすすめです。
何たって私、次はこの作家の何を読もうか虎視眈々、ですから。




スポンサーサイト

テーマ : オススメ本!!
ジャンル : 本・雑誌

大河ドラマに出てこないドラマチックな人々~殿様の通信簿~

先日紹介した「武士の家計簿」の著者によるヒット作。
おもしろい!
なんと言っても、元ネタは、幕府の隠密が拡販の殿様の行状を、幕府のお偉方に知らせていた密書だというのだから。
あの水戸黄門こと水戸光圀は、「密かに悪所に通い、酒宴、遊興甚だし」と書かれていて、まるで遊び人扱いだし、
浅野内匠頭は、「女色を好むこと切なり」って、エロエロな殿様のようだし、
池田綱政という岡山の殿様は、子供が70人いたとすっぱ抜かれてるし・・
もう、通信簿にしたらバツバツバツ・・みたいな殿様ばかりなのだ。
でも、実は水戸光圀の悪所通いというのは、芝居小屋や歌舞伎を見に行って、市井の文化人と交流していた事だし(当時、能は武士の好むところだったが、歌舞伎はたいそう低く見られていた)、
70人の子をもつ殿様は、今で言えば女性に優しい、楽しい人物だったようだ。
浅野内匠頭だけは、あの「松の廊下」事件を引き起こす前から、素行に問題があって、「改易間違いなし」とささやかれていたというから、そんな殿様のために討ち入りしなければならなかった四十七士も大変だったろう。
そのほかにも、間違っても大河ドラマの主人公にはならないだろうが、十分ドラマチックな人生を送った殿様の事が紹介されている。
取りあげられたどの殿様も、味がある。
波瀾万丈の生涯を送っているのだ。
「武士の家計簿」といい、「殿様の通信簿」といい、この著者は面白い古書を見つけ、それを平易に、かつ興味深く語るのが上手い。
文化や価値観の違いを平易に解き明かしているので、歴史小説や大河ドラマ好きな人はもちろん、「時代物はちょっとね」という人にもオススメ。

テーマ : **本の紹介**
ジャンル : 本・雑誌

魂萌え!

「グロテスク」で、大丈夫(^^;)な事がわかったので、桐野さん作品を続いて読んでみることに。

今ちょうど、NHKでドラマ化されてますね。
高畑淳子さん主演。
(「白い巨塔」で東教授夫人を演じた、あの方です)
さすが優れた舞台女優、演技力がしっかりしてるので安心してみられます。
原作の主人公は、高畑さんより年とってる感じがするんだけど。

主人公の敏子は、夫が風呂場で倒れているのを発見するが、病院に運び込まれたときにはもう遅く、59才にして未亡人になってしまった。
夫は定年退職後、蕎麦打ちなどして趣味を楽しんでいたし、贅沢はできないけど、夫婦二人で旅行したりして、のんびり暮らしていこうと思っていたのに。
夫を頼りに生きてきた専業主婦の敏子は、生きる支えを失って茫然自失。
おまけに、突然アメリカから帰ってきた息子は同居を条件に遺産相続を主張しはじめるし、近くに住む娘は同棲相手との生活を楽しんでいるばかりで当てにならない。
その上、倒れた日も蕎麦打ちに行っていたはずの夫は、もうとっくに蕎麦打ちの教室をやめており、愛人がいて、その日も愛人と会っていたのだと言う衝撃の事実が。
息子や娘には言えない。
「ひどいじゃないの」と恨み言を言いたい夫は既に墓の中。
いったいどうやってこの気持ちを抱えながら生きていけばいいのか?
敏子はやっと自分の人生を、これから歩いていく道を自分自身で考え、行動し始める。
夫の愛人と対決したり、不倫をしたり、壮絶な人生を送る老婆と出会ったり、旧友とケンカをしたり、新しい友達を作ったり・・
おとなしく、人の意見に流されるだけだと思っていた敏子は、自分の中に秘められていた熱いものにやっと気づいたのだった。

というようなストーリー。
ふむう、おもしろい。
さすがに還暦前の女性の気持ちが痛いほど分かる、とは言えないが、女には「変わり目」があって、その変わり目に当たった女は劇的に人生を、自分自身を変えていける、というのはとても良く分かる。
その変化たるや、男たちの比ではないって事も。
変化を迎える敏子や、その周りを取り巻くたくましい女たちの描き方はさすが。
「OUT」であれだけの女たちを描いた作家だけあります。
殺人こそ犯さないものの、十分すごみのある女たち。
男には「魂萌え!」はできないだろうなあ。
「!」には、女の強さがこもってるよなぁとつくづく思うのでした。

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

dancingwolf

Author:dancingwolf
FC2ブログへようこそ!
ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。