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くーー、おもしろーい!大奥!

以前から気になっていた、このコミック、「大奥」。
やっと読むことができましたよ。
「大奥」って言ったら、あの、例の徳川版ハーレム、美しい女人が鈴なりになっていて、そこで起きる色と欲の絡み合った、いかにも……な世界。
ですよね、普通は。
でも、よしながふみさんの描く「大奥」は、そんなイメージを軽く蹴り出す奇想天外ぶり。
何たって、この「大奥」に鈴なりになっているのは男達。
そう、徳川の将軍はある時から女になり、当然「上様」の夜とぎをするのは男というわけで。
読む前から、この逆転の構図は面白いと思っていたのですが、いやあ、予想を超えてました。
「奇想天外」と書いたけど、「荒唐無稽」ではありません。
何故、徳川の将軍が女になったのか。
それは、日本に若い男だけがかかる疱瘡が大流行し、各地で、若い男達がばったばったと死んでいったからなのです。
病は貧富の差無く襲いかかり、大名各家も、将軍家も、跡取りの男達が命を落としてしまう。
それが三代家光の頃。
やむなく当時絶大な権力を誇った春日局が、家光の隠し子であった娘を将軍に祭り上げ……
というわけ。
で、この作品がとりわけ良くできているなあと思うのは、本来の男性将軍が君臨していた時とほぼ同じ事件や逸話を取り入れているところ。
例えば、家光が若い頃衆道に夢中で、ろくに女性に見向きもしなかったところを、春日局の一計で、伊勢の慶光院の院主であった尼を還俗させ、差し出したところ、家光がすっかり気に入って愛妾にしたという逸話やら、
八代吉宗が倹約のため大奥改革に乗り出した時、その目的を言わずに「もっとも美しい女五十人」を選ばせ、その五十人の美女に、「それほど美しければ他に生きていく道があろう」と、宿下がりを命じたという話やら……
上手い!
おまけに、男女がひっくり返っても、美しいものや、寵愛を受けて出世していく者への嫉妬やねたみは同じ。
その辺の機微も見事に描かれています。
女にして将軍となった家光の数奇な運命と、その恋人である慶光院院主の貴族男性との悲しく切ない恋からも目が離せません。
この家光、いーんだな、これが。有能で酷薄で。「女だから」っていう先入観が吹っ飛ぶくらい。
当時の君主というものの実像を捕らえています。
妙齢の男性が次々死んでしまう事による市井の女達の悲劇や、いじらしさも心を打ちます。
うーむ、天晴れ!!
現在三巻まで発売されていますが、この先が早く読みたくてたまらない!
久しぶりにそんなコミックに出会えました。
よしながふみさん、がんばれー!!
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スポーツ青春小説「武士道シックスティーン」

「バッテリー」や「一瞬の風になれ」など、スポーツものの青春小説、人気が高い。
わかる気がする。
その熱意、10代だけが抱えるもやもや、友人との軋轢や淡い恋心etc.etc.
数十年も前に置いてきた感覚が、甦るのだから。

この「武士道シックスティーン」も、そんな青春小説のひとつ。
が、「バッテリー」や、「一瞬の風~」のように、男の子が主人公ではない。
でも最初読み始めると、ン?女子剣道の話しのはずなのに、何だ、この主人公は?
もしかして、自分のことを「あたし」と呼ぶ屈折した少年の話なのか?と、一瞬思ってしまうほど。
何たって、この「香織」という主人公は、その可愛げな名前とは全く違う兵法オタク。
宮本武蔵の「五輪の書」が愛読書にして聖書。
武蔵の言葉通り、食事を粗食にするため、昼ご飯はにぎりめしオンリー。
しかも、五輪の書を読みながら、片手に鉄アレイを持ってトレーニングしているというヤツ。
父親は警察官で、しかも剣道の教官。子供達を教えてたりもする。
幼少時から道場に通い、中学の全国大会で準優勝を納めたという筋金入り。
剣道は勝ち負けが全てで、当然勝つことに執着する。
そんな鉄のような女が、市民大会で、名もない選手相手にメンを取られて負けてしまう。
当然、負けず嫌いの血が騒ぐ。
その選手が通う学校に剣道の特待生として入学を果たした彼女は、その選手・早苗を知って愕然とする。
早苗は、「勝ち負け」なんて考えたくないと言う性格で、敵?であるはずの香織にも人なつこく声をかける。
そんな早苗が疎ましく、腹立たしい香織。
なんで、勝とうと思わない?なんで自分に勝ったのに、全然弱いヤツに負けたりする?
苛立つ香織だったが、やがて「勝敗」しか頭にない自分の剣道に疑問を持ち始め……
と言うストーリー。
偶然手に取ったんだけど、面白いよ、これ!
なんと言っても、主人公の香織と早苗のキャラクターがいい。
自分の入学した学校を「敵国」だと言ってみたり、お前はいつの時代の人間だ?とつっこみたくなる文語体が、何ともおかしい。
お気楽でごくごく普通の早苗が、少しずつ変わっていく様も、良くできている。
剣道のことなんか何も知らない私でも、十分楽しめた。
と言うより、剣道の魅力が伝わってくる。
そう、良くできた小説というのはそういうもんなんだな。
全く興味のない事象でも、いつの間にか「へええ」と興味を持たされ、ちょいと詳しくなってみたりする。
作者は警察小説やハードボイルドを書いてた人で、この作品が初めて「人が死なない」小説らしい。
いや、でも、いいんじゃないの。このライン。
私は、この作者の青春小説、もっと読みたくなったな。
誉田と書いて、ホンダと読むんだそうだ。覚えておこう。
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ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

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