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確かにめぐりあえてよかった~~邂逅の森

一応、知ってはいました。
この本が、直木賞と山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した作品だと言うことは。
でもねぇ、内容が、「マタギ」の話でしょう?
獣を求めて山中を駆けめぐるマタギ・・
さぞかし男っ臭い話なんだろうなあ、と食わず嫌いしていたのでした。
が、このほど文庫化されたときの帯に、田辺聖子さんの「この本にめぐりあえてよかった!」なる評がどーんと書かれているじゃありませんか。
基本的に、「スティーブン・キング激賞!」とかの類の帯の文字は信用しないことにしてるんですが、この一句には惹かれた。
だって、それって最上級の賛辞でしょう?
文庫だし、どうしても性に合わなかったらその時はその時、とおセイさんを信じて買ってみました。
いや、確かに帯の一文は、ウソじゃなかった。
田辺聖子さんを信頼してよかった。
もちろん、主人公はマタギの若者ですから、全編、男臭さ全開です。
でも、嫌な匂いじゃない。
夜ばいだの、女を孕ませるだの、さすがに大正時代、とうなずかされるような描写が続々。
でも、これまた嫌悪感がわき起こらない。
何故かとつらつら考えるに、この主人公やマタギたちの山への恐れ、信仰が愚直で、かつすがすがしいからかもしれません。
冬の東北の山に入るにあたって、水垢離するんですよ、水垢離。
死にますって。現代人なら。
熊をはやし立てて追い出し、確実に命中させるために至近距離までひきつけるなんて、正気の沙汰じゃありません。都会人ならそう思います。
でも、その今の価値観、文明観からすれば馬鹿馬鹿しいまでの愚直さが清冽です。
多くの生き物を自分たちの勝手で殺戮し、滅ぼし、地球をボロボロにし、自身を破滅に追い込んでいく私達は、善悪は別として、山の神を恐れ、山が恵んでくれるものだけを得て生きていたマタギたちの前で、深く頭を垂れるしかないのでは?と思ったりします。
田辺聖子さんが解説の中に書いておられるように、東北の山の凍り付くような冷気、マタギたちの息づかい、熊の咆哮がすべてリアルに感じられ、自分がマタギとして雪深い山を歩いているような気にさせられるのは、作者の力量に他なりません。
さすが、史上初のダブル受賞作。
結構な分量だけど、一気に読ませます。
読んでよかった、の骨太の一冊です。
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テーマ : この本買いました
ジャンル : 本・雑誌

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最近は根気が続かなくて、しっかり【読書】していないのですが、魅力的な本だなぁ、と思わせて頂きました。自然への敬意、を確かに現代社会は忘れているようですね。生きとし生けるもの(動物も、植物も)を大切にする、というところからやり直さないと、今の社会の【闇】は晴れないような気がします。

その通りですよねぇ。
時々野菜を腐らせてしまったりする我が身を反省。
最近、「いただきます」を言わないでいいと教える親がいるとか。
「お金を払ってるんだから」というのが理由だそうです。
お天道様や、育ててくれている人や、食物という最大の恵みを与えてくれる境遇に感謝しつつ「いただく」・・その精神を忘れた親の元で、まっとうな子供が育つはずがないと思います。
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ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

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