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歩く?歩かない?

ここのところ続けて読んだ本が、何故か「歩く」につながりがあるものばかりだった。
まず一冊目は、ご存じ、書店員が選ぶ「本屋大賞」第一回受賞作。
へそ曲がりな私は、「本屋大賞」で火がついた作品は読みたくなくなるのだ(本屋さんも、そんなへそ曲がりがいるとは思わずに作った賞なんだろうけど)。
惜しくも第一回の「本屋大賞」を逃した「明日の記憶」は、受賞発表の前に読んでいたけど、この作品は未読だったので、そろそろへそ曲がりも収まり、手に取ってみたというわけ。
県立の進学校である高校では、毎年すべての生徒が参加して、夜通し歩くというイベントが開催されていた。
受験を目前に控えた三年生も参加する。
食事や仮眠は取るけれど、一晩歩き続けるというのは苦行である。
いくら元気な盛りの高校生といえど。
なので、ぶつくさぶつくさ文句が出る。
しかし、そこは多感な高校生、寄るわと押して歩き続けるイベントの中で、恋の話があり、友情があり・・
なるほど、本屋さんってのは、こういうお話が好きなのね、リリカルな本がお好みなのねと、よーくわかった一冊。
あくまでへそ曲がりだった私は、子供が最後の一人になるまで歩き続けなければならない死のウォークラリーを思い浮かべてしまった。
あの話は怖かったなあ・・


続いては、日本ファンタジー大賞でデビューした、森美登美彦氏の作品。
この方、京大の学生で(今は大学院らしいけど)、偏屈へそ曲がりなくせにユーモラスというキュートな文体が特徴。
いかにも京都の匂いがするのです。
何たって、主人公は恋する乙女の後ろ姿を探し求めて、京都の町中をうーろうーろ歩き回る。
主人公の恋する女の子は、それに輪をかけてふーらふーら、あちらこちらへ出没し、誰にも負けないくらい酒をカッくらうのです。
しかし、酒を飲んでも、この子はカワイイ。
私だって惚れそうになるくらいの天然不思議ちゃんです。
登場する脇役たちもまあ、へんてこな人ばかり。
でも、一回はまると、森見ワールド、癖になります。
デビュー作を読んでみる気になっちゃいました。


ひたすら歩いてばかりいた前二作に対して、こちらは「歩かない」話。
主人公たちは、みんなシェフの卵で、ふとした偶然から、東京の異世界に迷い込む。
24時間制の東京から、26時間制の東京へ。
彼らは26時間ある東京の町のレストランの厨房で、自分たちがこねて叩いてあぶって焼いて・・料理をしている。
ところが、ある日、仲間の一人がいつもの厨房に現れなくなった。
事の真相を知った彼らが取った行動は・・
という、とっても不思議なお話。
作者の古川日出男さんは「ベルカ 吠えないのか」で私と夫を虜にした作家で、文体もストーリーも、いつも実験的。
この本は、まるで大人の絵本のような装丁で、内容もとてもファンタジック。
古川さんの新たな冒険なのかと思われます。


こうしてみると、「歩く」って、作家の心をくすぐるテーマなのかも。
ここのところ「風が強く吹いている」とか「一瞬の風になれ」で「走る」が注目されていますが、「歩く」も良いですわね。
「走る」よりまったりとして、ちょっとひねくれた味わいがあって。
「走る」と「歩く」の読みくらべも面白いかもしれませぬ。
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テーマ : 紹介したい本
ジャンル : 本・雑誌

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最近、病気からの回復過程ということで、足慣らしにワンコを連れて夜歩いています。元気な頃にはなんでも自転車でしたし、≪歩く≫ということがありませんでした。≪歩く≫という目線は走ったり自転車に乗ったりする視点とは確かに違いますね。いつの間にか忘れていたもの、置き去りにしていた事、をもう一度取り出していくような感じです。苛立っていた事も歩くうちに角が取れていったり。≪ウォーキング≫とかって気張ってないせいかもしれませんが。ぽくぽく、ボーっと歩くのって面白いです~☆

そう言えば、ここのところぽーっと歩くのを忘れてました。いつも、目的地に向かって早足って感じで。
小学生の頃は通学路をぼーっと歩いていて、同学年の子供より帰りが遅い私を母親が心配していたものでした。
とろくさい子供だったけど、空想力だけは豊かだったような気がします、
私も久しぶりにぽてぽて歩いてみます。
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ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

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