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江戸の「フーゾク」は文化があったなあ~「吉原手引草」~~

ショッキングピンクの看板が立ち並び、怪しげなおじさん達がこれまた立ち並び、間違えて踏み込もうもんなら、怪しげなオジサンに引っ張り込まれてしまいそう・・
それが「フーゾク」街のイメージですよね。
新宿歌舞伎町とか、西川口とか。
(両所とも規制が厳しくなったので、どんどん地方に流れているそうですが)。
出来ればと言うか、ぜーったい近寄りたくないのが、現代の風俗街だとすれば、江戸のそれは明らかに違います。
言わずとしれた吉原ですね。
絢爛豪華な花魁達がそれぞれの店の看板として君臨し、お大尽達が競って豪遊し、時にはお店の金をくすねて好きな女を身請けしようとする男がいたり、駆け落ちがあったり、心中があったり・・
吉原という郭の中にはドラマが充ち満ちていました。
その中でも、このストーリーは秀逸です。

当時の吉原でも伝説的な花魁・葛城をめぐって、吉原の人間誰もが口をつぐむようなセンセーショナルな事件が起きた。
しかし、何が起きたのか、葛城はどうなったのか・・吉原の人間は誰も語ろうとしない。
単なる心中や脱走ではない、恐ろしいほどの禁忌に触れたのだと言うことがそこから伝わってくる。
その事件に興味を惹かれ、吉原中を尋ね歩く男がいる。
葛城を抱えていた楼主、葛城について世話をしていた女郎、やり手ばあさんに、座敷に呼ばれる幇間、葛城の客・・さまざまな人間が、やがて男の熱意に負けてか、それともやはり話したくて仕方がないのか、その重い口を開きはじめる。
そして、ついに男が見つけ出した真実とは?

といったストーリー。
吉原って、こんなにいろんな人間が、それぞれに理由を背負いながら生きていたんだということが、まずもって面白い。
トップの花魁だけではない、その花魁の周りを取り巻く人々にもそれぞれの人生があり、ドラマがある。
そして彼らの口から語られる葛城という女性の魅力。
それぞれの語り口も、いかにもその職業の、そうした人生を背負ってきたであろう人々のキャラクターが出ていて、ついつい引き込まれてしまう。
ラストには、なるほど、そうだったのかというどんでん返しもあり、ある種のミステリーとしても十分に楽しめる。
そう思ったのは私だけではないらしく、今期の直木賞候補作にノミネートされてます。
著者は「仲蔵狂乱」などで既に実力、貫禄共に十分だし、いいんじゃないかな。直木賞。

それにつけても、つくづくと、江戸の風俗には文化があったなあと思う。
性と欲望だけを、お金を仲介してむきつけに交換するだけの現在の風俗とは違う。
欲望が渦巻く郭にこそ、生まれる文化があるはずなのに。
いっそのこと吉原だけがあって、他の風俗は全然ないって方がスッキリすると思ったりもして。
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連続でお邪魔いたします。

珍獣さん、コメントをありがとうございました!
(&拙い投書を見付けて頂きまして・・・少々恥ずかしいです・笑)
珍獣さん、宮部さんの時代モノがお好きでしたよね?
私も、ようやく読むようになりました!
試しに「あやし」を読んでみたら夢中になっちゃって・・・。
次に「かまいたち」を手に取り、見事にハマりました。
な、何ですか?この上手さ!面白さ!
時代小説って、ものすごーく苦手だったんです。
だのに、先日は「しゃばけ」(畠中恵)まで読んでしまいました・・・。
畠中さんも松井さんも、今回の直木賞候補に挙がっていますね。
どなたが受賞するのか、興味津々です。

おお、ついに時代小説に目覚められましたか!
宮部さんの作品は取っつきやすいし、奥が深いし、いい味出てるし、オススメです。
ぜひ「孤宿の人」を読んでください。
ボリュームあるけど、泣けます(; ;)
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ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

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