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誘う本、敬遠させる本

恥ずかしながら私、日本の古典芸能にはとんと疎く・・
自分から進んでライブで見たり聞いたりしたのって、落語くらい。
雅楽?結婚式場で流れてるのしか聞いたことない。
歌舞伎?高校生の時、学校から強制的に見に行かされたな。
狂言?これも同じく。
文楽?旅行先の郷土芸能館みたいなところで見たけど・・ほとんど寝てました、はい。
中でも、文楽はほとんど興味の外。
歌舞伎なら、歌舞伎役者がTCドラマに出たりしていたし、ちょこっとは行ってみたいなと思わないでもないけど。
文楽って、なんか不気味な人形がのたくってるだけだもんねぇ・・
なんて、ファンが聞いたら怒髪天を衝くような感想しかなかった私。
もちろん、文楽なんかどうでもよくって、三浦しをんさんの文章が読みたくって借りたのだ。
でも、意外や意外、読み終えると、「今度文楽見に行ってみようかしらん?」と思っている自分に気づく。
うむう、これは三浦しをんマジック?!
この本の魅力は、ひとつには、もちろん三浦しをんさん独特の軽快でユーモラスな文章がある。
もう一つは、古典の名作劇が「おお、そんな話だったのか」と気づかされること。
(いや、私がもの知らずなだけで、みんなとっくに知ってることなのかもしれないけど)
「仮名手本忠臣蔵」の登場人物、塩冶判官が浅野内匠頭だって事は知ってたけど、おかる、勘平ってのは、何者じゃ?と首をひねっていた私、やっと解りましたよ、どういう人物で何をしでかしたのか。
「桂川連理柵」も、「女殺油地獄」も、ほーほー、そう言う話だったのねと、初めて合点。
今さら聞けない固定の名作をこんなところで、しっかり現代語訳(今、この平成時点のね)してもらえるとは、いやあ、ありがたや、ありがたや。
古典にありがちな「え?それはいったいどういう事?」という不思議な筋立てや、登場人物の妙なキャラクターにも、一々しをんさんのつっこみが入っているので、こちらも読んでいて「そうだよねぇ」と感情移入しやすい。
イヤイヤ、こりゃあ、めっけもんですよ。
文楽に興味がなくても、中盤の作品解説だけで読む価値有り。
おまけに、文楽が上方で栄えたものと知って、親近感が大いに湧きました。
やっぱ、古典芸能は上方だね、エッヘン(なぜ自分が威張るのかわかんないが)。


「あやつられ文学鑑賞」が、ホントに操られて文楽を見に行きそうな「誘い本」だとすると、こちらは正反対↓

作者は、映画化された「てなもんや商社」でブレークした谷崎さん。
中国人相手のビジネスの七転八倒ぶりを抱腹絶倒の語り口で描いた作品で、思い切り笑わせてもらったものです。
で、その本から20年後、著者は中国は北京大学に留学してた。
まあ、なんと懲りない人なんでしょ。
あれだけ大変な仕事をしていて、またいくか、中国へ?
しかも、今度は仕事ではなく留学(遊学)で。
私は二度ほど仕事で中国へ行き、「絶対個人旅行はしたくない」という気にさせられた。
もちろん、出来るだけ仕事でだって行きたかない。
両旅行とも、かなりのお大尽待遇だったけど、それでもうんざり。
チベットに行くときは、中国国内を旅行するのが嫌さに、わざわざネパールからヒマラヤを越えたくらいだ。
ま、「文楽」と同じくらい縁がなかったわけですわね。
で、この本を読んで・・ああ、やっぱり、今の中東と同じくらい行きたくない、と思ってしまった。ヤバサでは同じでしょ。
グアテマラの屋台で生のフルーツを買い食いするくらい(たいていの旅行者はこれで腸炎を発症する。ホームステイ先ではゾクゾクと患者が発生し、罹患率100%近かった!私は運良く当たらなかったけど)チャレンジャーな私も、中国の屋台でもの食う蛮勇はない。
本の内容は至って真面目、というか中国と日本の問題を浮かび上がらせる好著なんだけど、いかんせん、紹介されるエピソードの数々で、「中国っておもしろーい」「行ってみたい!」という人は、かなりのマゾなんじゃないかと思ったりする。
反日感情と言い、中国人の図太さと言い、偽物だらけの生活必需品と言い・・これはある種のホラーですかと言いたいくらいの恐怖が詰まってる。
つけてる電球が、突然飛び散るんですぜ。何もしてないのに。
『中国での「新製品」は「人体実験の第一号」』ってのには、背筋が凍る。
先日も、中国で子供が5人、食中毒で死んでたよなぁ。
食中毒っていうより、毒殺だと思うけど。
ぶるぶる・・私にはやっぱり中国は無理。
もちろん、中国人の良さや興味深いところもいっぱい紹介されてるけど、その『長所』も、私にはタフすぎて。
ええ、所詮ひ弱い日本人なもので。
あ、この本自体は面白いのですよ、念のため。
フラットで正直な中国観ってなかなかお目にかかれないものだし。
中国を好きになれるか、嫌いになるかのリトマス試験として読んでみるも良し、です。
でも実をいうと、中国には行きたかないが、京劇や上海雑伎団、変面なんかには興味ありあり。
文楽より見に行きたいかも・・
って、「なんだよ」と、三浦しをんさんにつっこまれるかもしれませんわ。
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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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私も、先日国立文楽劇場の前を歩いて、『おおっ、大阪人なら一度は足を踏み入れるべきかもしれん・・・。』と思ってしまいました。(まだ実現させてないですけど)確かに、浄瑠璃で語られても話の筋が分かんないと寝そうですもんね。面白そうなご本の発見、いつもありがとうございます。ところで、中国は知らないですけど、中東は夫が今担当なので頻繁に出張に行ってます。なんだか怖いイメージが先行しますが、一人一人は優しいんですって。イスラムの人ってとってもご親切なんだとか。でも、家で待っている私は、いつ『お宅のご主人が拉致監禁されました。』とか『流れ弾に当たって怪我をされて・・・。』などの連絡が入らないかと出張期間中、ドキドキしてるんですよ(笑)。

うんうん、大阪人ならぜひね、と言いたいところですが、私大阪にいたときには全然興味なかったからなあ。
でも、文楽(人形浄瑠璃)は、当時の上方文化の代表ですもんね。
次に帰ったときは、機会があったら見てみようかな。

それにしても中東とはスリリングな・・
留守宅にいる家族はほんとにハラハラしますよね。
ご無事のお帰りをお祈りしています。

早く中東が平和になってほしいですね。
そうしたら、いつかイエメンの世界遺産を見てみたいと思うのでした。
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ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

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