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あの日にドライブ

荻原浩さんの新作である。
「あの日にドライブ」。
主人公は、大手都市銀行をリストラされた中年男性。
銀行を辞めた当初は「会計士になる」という夢を抱いていたものの、タクシードライバーとして「とりあえず」働きはじめると、疲れ果ててそんな夢はどこかへ飛んでいってしまう。
タクシー業界は規制緩和と不況でとっても厳しい。
新米ドライバーの主人公は酔っぱらい客に悩まされ、営業部長に嫌みを言われ、家族とは疎外感を感じ、自分の人生を「なんでこうなっちゃったんだろう?」と振り返らずにはいられない。
あのときこうしてれば、イヤ、もっと前のあのときこうしてれば・・
大学時代の夢、就職の時の選択、はては昔の彼女との別れまでさかのぼって後悔が積み上がっていく。
しかし、やがて彼は小さなツキをつかまえたことから、少しずつ仕事のおもしろさに目覚めていく。
その都度、自分が思い描いていた都合のいい過去も、それなりに大変な結末を迎えていただろうことを実感する。
所詮、人は自分の歩いてきた道からそう外れることはできないのだ。
最初は主人公に全く感情移入できず、「愚痴ばっかりの情けない男」と映っていたのが、だんだん「うんうん、わかるよ、その気持ち」になってくる。
この辺、荻原さんのうまさ。

たいていの人間は誰でも、「こうしておけば良かった」「ああしておけば良かった」と思うことをいくつか抱え込んでいるもの。
「昔に戻れるならこうするのに」と思うこともしばしば。
でも、年を取ってわかってきたことがある。
「昔に戻ったらこうする」なんて事は、たとえタイムスリップしたってできない。
「こんな事なら中学生の時からもっともっと英語の勉強しておくのに」なんて思ったとしても、戻ったらやらないのだ。
そんなことを考えてるくらいなら今からやればいいわけだもんね。

映画、「ニューシネマパラダイス」の中で、老映写技師が、主人公の子供に言った言葉を思い出す。
「きみの選択を愛しなさい」
きみの人生を愛しなさい、じゃない。
ウッディ・アレンも映画の中でこんなせりふを書いていた。
「人生は選択の連続だ」
そう、私たちの人生は私たち自身の選択の表れ。
自分が選んできた結果を愛さなくちゃ始まらない。
改めて実感。

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

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