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包帯クラブ

天童荒太さんの新作である。
天童さんの作品はほとんど読んできた。
「永遠の仔」はもちろん、「孤独の歌声、」「家族狩り」「家族狩り5部作」・・
その筆力に圧倒され、物語に飲み込まれ、本を読むということにものすごく熱中させられながら・・それでいて辛かった。痛かった。
そのつらさや痛さと向き合え、忘れるなと自分を叱咤しつつも、読後は疲労した。
天童さんの作品と向かい合うには、こちらも体力、気力が必要なのだ。
(そして、そういう作家との出会いは、本読みには欠かせない)

とは言いつつも、世の中生きていくと、そうそう体力、気力を消耗するような本とはつきあうのが辛いときもありますわね。
天童さんの作品は読みたいけど、今はちょっと、今日はちょっと、ここのところはちょっとね・・って。
家族狩り5部作を読み終えたときの私はまさにそういう感じだったのだけど、今回出た「包帯クラブ」は、ためらいなく物語の中に入って行けた。

人は誰でも、生きていれば傷つく。
他人から見れば、どんな他愛のないことにでも。
そんなことで傷ついたんだ、ということを周りには悟られたくなくて、自分も認めたくなくて、傷から目をそらす。
と、その傷は化膿し、ぐちゅぐちゅと膿んでゆく。
やがて、突拍子もない死に走らせたりするくらいに。
他愛のない傷を傷として認めよう、そしてその傷に包帯を巻いてあげよう。
傷を傷として認めることから、その傷は少しずつ癒され、再生されていくから。

と、これはそんなお話。
これ、本当に天童作品か?というくらい優しく、自分の中にあった無数の小さな傷にしみていく。
でも、一つ一つの物語はきちんと「痛み」や「つらさ」を伝えている。
安直な癒しや慰めではないあたりが、天童作品の天童作品たるゆえんだろうなあ。
今までの天童作品を、「重すぎて辛い」と思っていた方にオススメします。

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テーマ : やさしい気持ちになれる本
ジャンル : 本・雑誌

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そうですか・・・。

それはホッとできますね。
かく言う私、「永遠の仔」でかなり
ヘコみました・・・。
他にも何かを読み、落ち込みました・・・。
「包帯クラブ」。チェックします。
読書って、深いところまでハマると
なかなか出てこれなくなるんですよね。

そうですね。私も読んだ本に一日影響されて、バイオレンスな気分になったり(^^;)落ち込んだり・・でも、この本は読後感もさわやかで、「やっぱ人間っていいよね」と、思わせてくれます。自分の心に包帯まきたい日に読むのをおススメします。
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ブラジリアンダンスとブラジル音楽、本と旅をこよなく愛する「恥かき」ならぬ「物かき」です(一応(^^;))。独断と偏見と偏った嗜好でつづるブログでございますが、どうぞお気軽に遊びに来てくださいませ。

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