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イトウの恋



先日「斉藤美奈子さんお墨付き」として紹介した「TOUR1989」の作者、中島京子さんの作品。
「TOUR1989」は、気が付くとあちらこちらの書評で取りあげられており、目下の注目作になってたのに、やっと気づいた。
で、「イトウの恋」。
私は「TOUR1989」より、こちらの方が好き。
イザベラ・L・バードという紀行家?の「日本奥地紀行」に想を得て書かれたものらしい。
学のない私は「日本奥地紀行」なんて読んだことないのだけど、それでも「イトウの恋」は十分楽しめる。
本書の中でIBとして登場する白人女性に、伊藤亀吉というまだ若い男が通辞(通訳)として付いて、一緒に日本を旅する。
旅すると言ったって、明治になりたての頃の日本、西洋人はまだまだ物珍しい存在だったのに、その西洋人女性が、外国人なんか一人としてみたことがないという日本の奥地を回るのである。
当然、通辞のイトウはIBにしっかり付き従い、逐一通訳しなければならない。
イトウは、孤独な生い立ちで、過酷な幼年期を経て、若いくせに偏屈で妙にプライドも高いという性格に育っている。
しかし、イトウはIBと旅を続けるうちに、IBへの思いを募らせていく。
若くも、さして美人でもないという設定のIBは、しかしその白い腕が美しく、そして何より現地の日本人に好かれるという人間的魅力を持っていたのだ。
IBはイトウの気持ちに気づき、そして、二人の関係はある日転機を迎える・・

というのがメインの筋書きなのだが、さすがに中島京子という人は一筋縄ではいかない。
IBとイトウの恋は、イトウが残した手記によって語られるのだが、それを偶然見つけたのがさえない中年教師で、更に、尻切れトンボになっているイトウの手記を見つけるために彼がコンタクトしたのは、劇画の原作をしているという元モデルで、彼女は当初イトウの手記にも中年教師にもまったく興味を示さず、手記はそのまま中途半端に放り出されかねない有様だった・・
とまあ、一つも二つもねじって、イトウの恋は紹介されていく。
明治初期の若者の思いと、現代の若者と中年男のありようが交差しているあたりも、その対比が面白かったりする。
うーん、さすが斉藤美奈子さんお気に入りの作家。
納得。
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テーマ : **本の紹介**
ジャンル : 本・雑誌

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イトウの恋 中島京子

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